小金井の未来をつくる会
こがねい未来通信 No.12
桜の花が咲き誇り、子どもたちの成長を実感する卒業式や入学式が挙行される春の訪れ、小金井市が最も輝く季節が近づいてまいりました。
およそ280年前の江戸中期、八代将軍徳川吉宗のもとに行われた武蔵野新田の開発に伴い小金井北部の地域に新田村が形成され、新田開発の指揮を執った府中市押立村の名主、川崎平右衛門により小金井橋を中心に玉川上水沿道の約6・5㌔㍍に渡りヤマザクラが植えられました。現在の奈良県吉野町、茨城県桜川市の名品種が移植され、上水沿道の人々が大切に守りつなぎました。江戸末期には、歌川広重が錦絵として世に広め、関東随一の花見の名所となり、その後、明治天皇も行幸されました。そして、大正13年に国の文化財である名勝に指定されました。同じ年、武蔵小金井駅はお花見をする人々のための臨時停車場として誕生し、正式な駅となったのはその2年後です。さらに名勝小金井(サクラ)が有名であったことから、岩手県北上市の展勝地の形成には小金井のヤマザクラも採用され、東北の桜三大名所の一つとなりました。名勝小金井(サクラ)と呼ばれる玉川上水沿道のヤマザクラ並木は、さまざまな品種が混在し、早咲きから遅咲きと開花時期も幅広いことから、多くの市民の皆様に親しまれています。しかし、以前は千400本ほどあったヤマザクラも都市化の影響等により、現在は800本あまりとなっています。小金井市にとっても大切な文化遺産である名勝小金井(サクラ)を未来に継承していくために、ヤマザクラの育苗や並木の保全運動に取り組まれている市民団体の皆様とともに、各種取り組みを進めてまいります。
昨年は、川崎平右衛門没後250 年ということで、さまざまな企画が行われ、私もその歴史を学ばせていただきました。小金井地域の新田開発、幕府に献上するまでに至った栗の特産地や名勝小金井(サクラ)の誕生など、多くの功績を残した川崎平右衛門は小金井市の歴史において、極めて大きな存在です。昨年は、都立小金井公園前に設置された平右衛門橋の北西部に、没後250年を記念してヤマザクラの苗木を植樹しました。今年1月には府中市の郷土の森平
右衛門広場等に小金井のヤマザクラの苗木5本を植樹しました。3月31日(土)、4月1日(日)には、市制施行60周年の冠事業として、小金井桜まつりが開催されます。桜まつりには大勢の市民の方々にお越しいただき、併せて玉川上水沿道のヤマザクラ並木もご覧いただければと思います。
小金井市長 西岡真一郎
https://www.city.koganei.lg.jp/shisei/shichou/column1.files/column12.pdf
(市報こがねい 平成30年3月15日号より)